第1512歩&0405 路線バスにまつわる話3選

路線バスの話を―。

現在、地域の足バスをめぐる環境は窮地に立たされており、新
聞やTVで取り上げられています。

利用されないことに加え、バスドラ(運転手)サン不足でバスを
運行するための人手が足りず、黒字の路線でも本数を削減するな
どして埋め合わせを行わなくてはならなくなってきています。

そんな中、バスの内外で社会的に考えさせられる事例を続きまし
たので、紹介、考察(現役バスドラさんからの考えを披露)して
みます。

ケース1 神奈中にて
走行中の神奈中バス車内で、子どもが一人席に座っていたところ、
後から乗車した酒に酔った老人男性が子供の座っている席を無理
やり奪ったというもの。


善悪の判断がつかないままのバス乗車は如何なものかと思います
が、酒にのまれた大人の姿は正直恥ずかしい限りです。とはいう
ものの、それだけでは何の解決もしないので、現役バスドラさん
はどう判断されるのか伺ってみたところ・・・。

(現役バスドライバー談:個人的な意見です)
基本は、放置プレーか様子見ですが。
ヤバイ展開になりそうな時は、マイクを使って即注意。
聞かない場合は、緊急停車し、強制降車させるか、最寄りの警察
に通報し、残念な客の身柄を拘束してもらう形をとるようにする、
とのことでした。


そういえば。
この記事を作成中、ウィラーの高速路線バスで乗り遅れで遅延さ
せた客に対するバスドラさんの対応事例がありましたが、マニュ
アルに従って対応したものと推測されます。

バス車内におけるバスドラさんは、飛行機におけるパイロット、
船舶における船長と同様、最高運行責任者でありますので、利用
者は運行(航)に関して常に協力的であり、友好的でつつがなく
運行に貢献しなければならないと言えるでしょう。


余談。
トラブルを起こす客層は老若男女関係ない訳ですが。
ただ、多くの人がこの報に接した時に思った言葉、『老がい』
(=自己中の意味)を連想した方も多いでしょうが、あれは、リ
タイアして繋がりが少なくなるとコミュニケーション能力が劣る
ことにより惹起するらしいですから、加齢すればする程、常に
他人様とコミュニケーションを取っていく努力を続け、死ぬまで
努力しなければならないでしょう。

ケース2 東武バスセントラルにて
伊勢崎線竹ノ塚駅付近で、片側1車線の進行方向に反対側から
東武バスのバスが2台連続で駅バス停に向かうため、反対側車
線に入り、右折して向かった(動画によりマスゴミや警察が動く
事態になった)というもの。

これは、明らかに道交法違反ということで、かばう気は残念なが
ら毛頭ありません。事実、東武バスサイトでも、この件に関して
謝罪の告知がされています。

2019.4.16 東武バスサイトUP
【お詫びとご報告】反対車線の走行(報道の件)について
(以下、略)

竹ノ塚駅付近。
東武伊勢崎線第37号踏切で起きた人身事故を契機に同駅を上
に持ち上げる(連続立体交差事業)が実施中。
工事スペースを確保する必要性から、それまで構内にあったター
ンテーブルが撤去され、構内で転回できずに駅付近にある建物
を回るようにして運行内容が変更されて現在に至ります。

(現役バスドライバー談:個人的な意見です)
あの逆走は完全にアウト! 画像を元に当該運転手2人に後日
違反キップを切られたのではないかと察します(耳が痛い話)。

バスドラさんの判断は、ただでさえ遅れている運行の遅延をさら
に増幅しかねないので皆『苦渋の選択』をしてしまったのだろう、
と。


勿論、法を犯したバスドラさんが悪いのは言うまでもありません
が、道路管轄の行政や国交省が何も対策を打ってこなかったツケ
が現役バスドラに法令違反として降りかかるというのは正直納得
できない、とのことでした。

一般ドライバーによる過度のクルマ依存も今回の件に背後にある
と作者は考えてみましたが、はたして?

ケース3 茨城急行(茨急)を巡る駆け引き
野田市駅~愛宕駅~岩井車庫間を結んでいる茨急岩井車庫線。
 https://www.pref.chiba.lg.jp/koukei/shingikai/bus/documents/chibabunkakai_h30kyougikekka5.pdf

ちょっと難しい話。
乗合バス事業については、平成 14 年2月の改正道路運送法の
施行に伴い、需給調整規制は廃止され、事業への参入・退出等
の規制が緩和されました。 これにより、交通需要の少ない地方
部における乗合バス路線については、不採算路線からの退出の
加速が懸念され、地域住民の皆様に とって真に必要な生活交通
の確保に支障を来たすことが危惧されています。 このため千葉
県では、「千葉県バス対策地域協議会」を設け、さらに各地域に
「分科会」を設けて地域のニーズに応じた具体的な生活 交通確
保のための方策を協議することとしています。

このたび千葉分科会では、乗合バスを運行するバス事業者から
今後の運行について協議の申出のあった路線について、別添の
とおり協議しましたので、その結果を公表します。

地域間幹線系統確保維持計画(原案)に対する意見募集の結果
について

意見:現状では茨城急行自動車株式会社の「岩井線」及び「まめ
バス」 は愛宕駅バス停に関しては、県道上において乗降を行っ
ています が、愛宕駅西口駅前広場の施工期間が平成27年度
から平成32 年度(令和2年度)までとなっており、バス停を
広場内に置くこ とで(西口または東口にバスが乗り入れること
で)、利用者もよ り一層便利になると思います。


回答:茨城急行自動車(株)に確認したところ、現在暫定的に供
用が開始されている東口ロータリーにつきましては、ロータリー
が狭く、岩井線で使用している中型バスの乗り入れが困難なた
め、現時点では既存のバス停を使用することとしており、今後、
駅前整備の状況を踏まえ、引き続き検討していくとの回答があ
りました。
そのため、令和2年度地域間幹線系統確保維持計画につきまし
ては、原案のとおりとさせていただきます。

なお、野田市よりコミュニティバス「まめバス」については、
愛宕駅の連続立体交差事業が完了後、東口の駅前広場の整
備と並行して予定されている、県道つくば野田線との接続の整
備(信号機及び右折レーンの設置)が完了後、乗り入れを検討
するとの回答がありました。

県の協議結果。
生活路線として必要であり、申出どおり国及び県の補助を受け
て運行を維持する。 (補助対象期間 令和元年10月1日~令
和2年9月30日)

維持するための各種取組と<主体セクター>。
将来的な通勤利用者の確保とし て、共通学生フリーパスをPR
することでの販売促進<茨急>。

バス利用方法及び案内等を入れた時刻表を車内、沿線施設へ
配布<野田市・茨急>。

バスを利用した校外学習の実施<茨急>。

野田市コミュニティバスの運行ルートの設定に際し、利用者が
競合しないよう調整を図る<野田市>。

野田市コミュニティバスのルート図・時刻表において、本件対
象路線図を分かりやすく記載し利用促進を図る<野田市>。

野田市のホームページに、路線バス事業者のHPへのリンクを
作成し、時刻表等を確認できるようにする<野田市>。


ツッコミどころ満載(苦笑)。

茨急は運行を止めたい、坂東市は陸の孤島を恐れ、運行は
今後も継続してお願いしたい。野田市はそもそも興味すらなく、
東京直結建設促進で黙りを決め込んでいます。

それに輪をかけて住民の無関心。
それが茨急岩井車庫線の実際。

茨急は人的・資金が東武系バス事業者としては規模が小さく、
その上、経営は利用者減と同業他社との競争でかなり厳しい
です。

貸切事業を展開していないのもそうですし(バスを実施した
校外学習の実施は貸切免許を持っていないので、できないの
では?せいぜい、野田市産業祭で展示するだけに終わりそう)、
路線バスの車体が汚い。車体シールを貼り直すだけの資金が
ないのでは?

沿線施設配布程度では、間違いなく効果は期待できずダメで
しょう。
拙ブログでは時々引き合いに出す帯広を中心に展開する十勝
バス(https://www.tokachibus.jp/)の白樺通19条バス停
の取り組み(社員がバス停周辺の各戸約1000戸に自社の
時刻表を持って回り、何故、弊社の路線バスを利用しないん
ですか?と聞き、復活の狼煙を上げた事案※1)、そこまで
沿道住民に入って展開しないと好循環は起こらないでしょう。

※1 詳細は、書籍『黄色いバスの奇跡』
  『アンビリーバボー 十勝バス』で検索  

最低限、岩井車庫線市内外を含む全バス停の時刻表や運賃
表を自分のところで“わざわざ”造らないとダメでしょうね。


交通政策基本法より

(地方公共団体の責務)
第九条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、交通に関し、
国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区
域の自然的経済的社会的諸条件に応じた施策を策定し、及
び実施する責務を有する。

2 地方公共団体は、情報の提供その他の活動を通じて、
基本理念に関する住民その他の者の理解を深め、かつ、そ
の協力を得るよう努めなければならない。

(交通関連事業者及び交通施設管理者の責務)
第十条 交通関連事業者及び交通施設管理者は、基本理
念の実現に重要な役割を有していることに鑑み、その業務
を適切に行うよう努めるとともに、国又は地方公共団体が
実施する交通に関する施策に協力するよう努めるものとす
る。

2 前項に定めるもののほか、交通関連事業者及び交通施
設管理者は、基本理念にのっとり、その業務を行うに当たっ
ては、当該業務に係る正確かつ適切な情報の提供に努める
ものとする。

(国民等の役割)
第十一条 国民等は、基本理念についての理解を深め、そ
の実現に向けて自ら取り組むことができる活動に主体的に
取り組むよう努めるとともに、国又は地方公共団体が実施
する交通に関する施策に協力するよう努めることによって、
基本理念の実現に積極的な役割を果たすものとする。


利用者、業者、行政。
三方がWINになる仕組みを作らないと、地域の足の維持は
おぼつかないです。


このほか、神戸市営バス事故(バスドラの過失とみられる)
も見逃せない事故といえるでしょう(別の問題も孕んでい
るといえます)。


ハンドルを握る。それがバスでも、乗用車でも。
慎重すぎる運転を常に心がけるとともに、クルマ一辺倒で
はなく、公共交通も積極的に活用することで、ハイブリッ
ドな移動を実践していただきたいと思っています(それが、
地域の足の継続的確保や他人様の雇用を守ることになる
のです)。


 
                      

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